女川町誌
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7、島民の民俗と風習8、足島の海猫と善知鳥9、江島の自家発電施設10、江島の砲台趾11、孝女千代の墓21、江島流人の文書七、出島の観光1、出島の地形と聚落2、住民の生業と生活状態3、島民の風俗と習慣4、四子崎の灯台5、出島と寺間の漁港6、高台より見たる景観第二節金華山と牡鹿半島県立公園一、金華山の参拝と観光金華山は牡鹿半島の最南端に位する霊島で、また北上山脈に属する霊峯である。この島山は太平洋上にそびえること高さ四五五米、周回凡そ二四粁、老樹鬱蒼として見るからに霊気を覚える。古来出羽の三山、南部の恐山と共に東奥の三霊地と称せられ、信仰者の多い所であつたが、近年更に参拝観光者の数を著しく増している。女川港より観光連絡船で約一時間の距離に位置している。天平勝宝の昔、陸奥国より黄金を朝廷に献上したので、歌人大伴家持が「すめろぎの御代栄えんと東なるみちのく山に黄金花咲く」と詠じてから、この歌詞にあやかり金華山と称したと伝えている。この島に鎮座する黄金山神社は金山彦命・金山姫命を祭神としてまつり、一千二百餘年の歴史を有し、金銀財宝、海上安全の守護神として民間の信仰が厚く、三年続けて参拝すれば一生金銭に不自由がないとまでいわれて来た信仰の御山である。金華山を観光地の立場から見ると、波止場の水の美しさ、鹿山公園の芝生と鹿、土井晩翠の詩碑、神社境内一円と831

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