女川町誌
877/1094

青森県に於きましては罹災救助を要すと認めるものは目下上北郡三沢村外一箇村の見込であります。県に於きましては直ちに関係職員を派遣して炊出し、衣服小屋掛等必要なる救助に関する手配を了し救助上遺憾なきを期しつゝあります。最後に北海道の状況でありますが、目下判明せる罹災地は日高国の一部であります。支庁長及地元村長を督励しそれぞれ罹災救助に努めつゝある状況であります。以上簡単ながら昨朝の地震並に其被害警備の状況の大要を申上げましたが、尚復興等に就きましては関係道県等と協議致しまして万遺策なきを期したいと思つて居る次第でございます。此点御報告申上げます。(拍手)この、内相の報告により、満場は三陸地方の不慮の災禍に対する政府当局の応急対策を知ると共に、深く同情の念を湧起し、相協力して之が救護に当らん事を期したり。石巻日々新聞昭和三三年三月四日記事惨禍から二五年死者三千五百余流失家屋約四千忘れた頃に災害は来る県内で最も被害を受けた町村別では、本吉郡の歌津地区の死者四十八名、行方不明三十六名、傷者五名、流失家屋百二十二戸、倒かい三十戸、浸水三十三戸、船舶流失破損百九十七隻桃生郡十五浜地区で死者三十一名、傷者四十一名、行不明二十七名、傷者四十一名、家屋流失三百三十七戸、船舶流失破損百十四隻牡鹿郡大原地区死者三十四名、行方不明二十八名、傷者二十七名、流失家屋百四戸、倒かい十三戸、浸水百五十五戸、船舶流失破損四十七隻牡鹿郡女川地区死者一名、倒かい家屋五十六戸、浸水四百二十七戸、船舶流失破損二十四隻本吉郡十三浜地区死者七名、行方不明四名、流失家屋九十六戸、倒かい四十四戸、浸水四十三戸、船舶流失破損百二隻本吉郡唐桑地区死者三十二名、行方不明二十七名、傷者二十名、流失家屋二百三戸、倒かい家屋百四戸、浸水二百二戸、船舶流失破損二百八十九隻=以下被害額もぐつと落ちるので省略する。津波の高さは宮城県下では平均三・一五米、岩手県で五・九米。県内各沿岸部を襲つた津波の高さの中大きいものをあげると本吉郡唐桑欠浜・笹浜の十二・六米、桃生郡十五浜荒屋敷の十米など。次に石巻管内の当時の被害例、(その一)昭和八年の津波で隣りあわせの桃生郡雄勝と明神両部落の場合堤防築造を一心同体となつて行わなかつためいざ大波襲来の際、強固な堤防を築いた明神は被害も少く、弱体だつた雄勝部落の方は二軒分一緒に頂戴のかたちとなつて思わぬ被害をうけた。(その二)牡鹿大原地区の谷川と本吉郡の大谷両部落の場合、不注意の違いから尊い人命を大勢失なつた谷川と、漁夫の機転から物的にはかなり被害をうけたものの死者は一人も出さなかつた。(その三)鮫きよう三陸津波記念日807

元のページ  ../index.html#877

このブックを見る