女川町誌
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が三千三百五十二万一千円となり、尚かつ毎年度多額の赤字を生じ、事業のため借り入れた公債元利償還の額も逐年増嵩の一途を辿り、町財政の運営は益窮迫を告げるようになつたわけである。以上は女川町の特殊な事情である。九、地方再建法の公布時既に全国的な地方財政窮迫状態に対処するため、政府並に地方団体関係者から、地方財政再建に関する立法の必要性が説かれ、数次の国会審議を経て昭和三十年十二月、第二十二国会に於て、地方財政再建促進特別措置法が成立公布された。この法律の要点は㈠再建を図りたいと思う地方団体は㈡昭和二十九年度末の赤字額を解消するため㈢自治庁長官の認めた赤字額に相当する町債を起こして従来の赤字分を支払い㈣その後極力消費的経費を抑制しつゝ合理的に建設事業を推進し㈤健全なる財政構造の下に、赤字補塡のために起した町債を年次計画により償還して健全財政に立ち帰ろうとさせるものである。従つて㈥その年次計画は常に予算に優先して、尊重せねばならない。即ち予算を設定する前にこの計画をたてなければならない㈦この計画の変更は必ず自治庁長官の許可を受けねばならないが㈧同時に町村の規模に応じて、適正でない経費は認められないという制限付の財政、即ち町村財政上の自律性を制限される結果を進んで招ぐものではあるが㈨反面赤字補塡のために借入れた町村債の利子は、町村が年三分五厘だけ負担し、残分は国が負担してくれるのである。普通の町村債は最低六分五厘であるから、三分は国家が見てくれるというわけである㈩又財政再建のため人員整理の必要があれば退職手当債を認め、且つ起債に或程度の便宜を与えられることになつている。しかしその利子については赤字債と同様の取扱は受けられない。一〇、女川町財政の再建女川町の場合は昭和二十九年度末に於ける赤字額は、一般会計及び上水道会計を合算して、二千七百七十六万五千623

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