女川町誌
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第一編総説第一章地理的考察第一節女川町の概観わが郷土女川町は、国鉄女川線(石巻線)の終点に位し、霊島金華山への門戸をなす三陸沿岸の良港で、近く金華山沖の一大漁場を控え、本県に於ける水産業の一大根拠地となつている。港湾は東南に開いて広く、風波極めて暖かで、また港内到る所適度の深さを保つているので、大小船舶の碇泊に適し、陸上交通と相俟つて益々町勢発展の一路を辿つている。漁港女川と東北の中心都市仙台とは、東北本線及び女川線による直通鉄路並に仙石線と仙北バスまたは女川線による連絡交通路とによつて結ばれている。仙台から最短距離線である仙石線により女川に向うに、港塩釜市を経て沿線に松島湾の風光を賞しつつ快走すること約一時間四十分にして、北上河口の港石巻市に達する。石巻市は女川町と共に牡鹿半島の頸部を扼し、仙台湾の内外表裏をなす古い商漁港で、女川港を外港として殷賑を極めている。石巻の開港は古く、今や仙台市に次ぐ本県第二の都会で、また桃生・牡鹿地方に於ける政治・経済・文化の中心をなしている。1

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