女川町誌
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この漁船を経営していた人の新船建造による古船の購入や新造によつて行われているが、その資金は漁業者自身の資力によるものは少なく、大部分町内加工業者の投資によつているものが多い。従つて漁獲物によつて加工業者に返済することになつているが、終戦後約二、三か年間の好漁は急激に衰退した。是等の船主はサッパを併せ有ちつゝその中定置網の経営者で地先の海を多角的に利用してる部落の幹部漁家でもある。是等の船の収獲物は女川漁港に入り問屋に入る。然して各種加工業者の手に入る。また是等小型船は自家労働力を中核とする家族経営である。そして余る不足な労働力を親近縁故の漁家から習慣的にこれを仰いでいるが、これが船主・船子の関係として身分的に固定される事はない。小型船は皆女川港に漁獲物をあげる。そして全町に三十一年度は百〇六隻程もあつたが、主人が舟に乗らないで傭人を使う点では資本主でもある。382

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