女川町誌
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⑶小型動力船経営者定置網の経営者と共に、各部落の中層漁業者を形成しているものを小型船と呼ばれている。大体三屯―五屯、一五馬力内外、従事者六―七名程度の漁船を経営している数の多い層である。この漁船の操業区域は金華山沖で一昼夜以内の操業であるが、季節的に複雑な漁業の活動を行つている。この漁船が使用し得る漁具は、スゞキ延繩・マス延繩・アブラザメ延繩・ハモアイナメ延繩・タコ延繩(以上延繩六種)。ヒラメ一本釣・カツオ一本釣・イカ釣(一本釣三種)。スケソウタラ刺網、マダラ刺網(刺網二種)イサダ(アミ)抄網・イワシ抄網・メロード抄網・イカナゴ抄網(抄網四種)等(計一五種)である。これらの多様な漁具から、随時に魚の洄游状況とか海況等の自然条件や、資材魚価等の経済的条件を考慮しつゝ何れかの漁具を選定して多角的に操業が行われている。小型船の発達については昭和初年カツオ・マグロ漁船の大没落の際、出島・寺間の船長が下船失職して建造したのが始めだといわれているが、又昭和三年頃漁業組合で資金転貸により組合員が三隻小型船を建造したのが早かつた。その後遠洋漁船からの没落と小漁の中の一部の伸長とにより急速に増加し、終戦前後の二、三か年のイカナゴの豊漁と、当時のインフレの好景気に刺戟され戦後再び急速に増加を来している。この増加は戦時中及び戦前から、381

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