女川町誌
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(へ)突棒漁業の概況この漁業は青森県・岩手県・本県北部及千葉県に於て早くより行われ、本町は昭和二十四年より一隻、昭和二十五年より一隻従事している。以上各種の機船経営者についてを述べたが、これ等の人々は漁村における政治的経済的支配階級であるために封建的諸関係の上に立つている。漁夫を雇傭する場合も、それは極めておくれた労働関係に立つている。かかる個人船主が小漁民の広汎な存在と、それによる半プロ漁民漁夫の折出を前提として、技能的手労働体系を中心とする漁撈技術の基礎の上に立つて一応の資本制生産を行つた。しかもこれが全国の漁村漁港において中核をなしていることは、日本漁業を強く特徴づけるものである。それは経営規模で六―二〇人の従業者が最も多い、所謂小規模経営であり、主として地元漁夫を雇傭するものである。かゝるものとして沿岸漁村の政治的経済的支配階級となつているわけである。船名及漁業営業者(昭和二八年)いわしあぐり網船 376

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