女川町誌
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第三編産業・経済第一章女川町の漁業第一節明治以前の漁業一、天正頃の漁業女川地方に於ける往昔の漁業については、これに関する文献は未だ見当らないが、漁業がこの地方の主なる生業であつたことは疑うべくも無い。雄勝町大浜の千葉文書には、今より七百四十五年前に千葉家は出羽の羽黒山より法印として桐ヶ崎以東の瀬祭りを命ぜられた記録がある。又今より約三百八十年程前の天正年間のこの地方の漁業に関し、安永二年の風土記書出に於て、之を見ることが出来る。なお同横浦風土記の中に、天正年間葛西晴信の下した文書に、横浦より俵物(俗に俵物三品と称し、海参いりこ・干ほし鮑あわび・鱶ふか鰭ひれをいう)を廻したことが見えている。即ち305

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