女川町誌
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出入貨物噸数及価額(昭和一一年統計)備考移出品の主なるものは、礦油・穀類・氷・和酒・鮮魚介・魚槽等にして移入品の主なるものは鮮魚介・礦油・魚節・薪炭・海草・乾魚・是等出入貨物は主として水産業に関するものにして、即ち本港は漁港として其機能を発揮しつゝあるを証す、従て将来と雖も漁業の発展に伴ひ其港勢伸張し物資の生産消費共に増加を見るべし。然れども県下には気仙沼・石巻及塩釜等の良港あるを以て相当努力を要すべし。又商港として位置の良と港内静穏と米国航路近きとの理由を以て外航船舶の寄港を見んとするが如きは容易の業に非す、須く先つ漁港として、又沿岸港として其機能を発揮し港勢を伸展せしむへきものと信す。生産業海産物製造工場八、魚糧製造工場二、冷凍及製氷冷蔵工場二、石盤工場一、油槽保税工場三、魚網船具工場一、造船工場二、製材工場三等ありて其従業人員約五〇〇名に達す、而して近く設置せられんとするものは冷凍工場の増設及東洋捕鯨会社工場の建設なり。交通陸にありては石巻に通する金華山軌道と、県道に依る自動車、海にありては女川汽船株式会社の十五浜行一日四回、出島行一日五回、五部浦行一日四回、大原方面行一日二回、江島行一日一回の定期航路に依る、明十三年には省線開通し陸上交通便となり、海路聯絡施設をなすに於ては物資及旅客の出入増大すべし。212

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