女川町誌
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屢々海岸を埋立て漁港施設を目論むと共に、県に其修築を請願すること一再ならす、目下女川振興会にて埋立工事を実施中にして、本港利用上諸般の事業経営を為さんとする状勢に在り、宮城県に於ても其趨勢に鑑み本港の具体的調査を為し、漁港修築計画に資せむとする意図を有し、今回之か調査設計方を申請するに至れり。㈣工事計画鑑査本港は前述の如く、其地勢上自然に外海の風浪を遮り、水深亦大にして船舶の出入頗る安全なるものあれとも、漁船の安繋港岸の設備・漁獲物処理機関配備等の見地より尚充分ならさるものあるを以て、各種漁船其他の碇繋利用に充分なる岸壁を築造し、一般漁業施設を為すに必要なる埋立をなすと共に、押へ崎に突堤を設けて漁船の繋泊及荷役能率を増進するの必要を認むるを以て、本計画案を樹てたり。女川漁港修築工事計画書本港工事は突堤岸壁及埋立工事より成る。㈠突堤工事押へ崎より南方に向ふ延長二百米の半島堤を築出し、面積十四万六千餘平米の静水面を劃し動力付漁船三百隻、在来漁船二百隻、漁船以外の船舶七十隻(現在同時最多入港船数の三倍半)を収容する計画にして、堤の構造は地質及水深に応し各種断面を有する混成堤とし、捨石基礎上に方塊凝土を積畳して堤体とし、場所詰混凝土を冠するものにして天端幅幹部二乃至二米三頭部四米三とし堤頂高干潮面上二米八に達せしめ、堤頭中心には竿燈一基を設置するものとす。㈡岸壁女川湾奥女川及鷲神地先一帯に、総延長七百一米の岸壁を築造する計画にして内二百九十五米を大型漁船、岸壁百五十五米を汽船及運搬船、岸壁六十米を定期船発着岸壁に充て、鷲神前面の百九十一米を小型漁船岸壁に充つ、以上各種岸壁を通し総延長二百八十米を魚揚及荷揚岸壁に充て、之依り一ヶ年約六万八千餘瓩(現在の二倍半)の魚貨を揚陸せしむる計画なり。各岸壁の有効水深は大型漁船、汽船及運搬船に対し三米、其他は二米とす。壁体構造は基礎拾石上に方塊を積畳し、上部は場所詰混凝土を以て築造するものにして、天端高は干潮面上二米乃至二米四に達せしめ、岸壁沿地は幅四米の混凝土鋪装をなし繋船197

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