女川町誌
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七、大石原・野々浜横浦の南方・五部浦の奥に大石原と野々浜の両聚落がある。大石原は戸数僅か一四戸、野々浜は三二戸という共に小部落であるが、水産業を主とし林業を副としている。大石原は沿岸漁業とカキの養殖とが主で、農業は狭い耕地を僅かに耕しているに過ぎない。野々浜は沿岸漁業やカキの養殖が主として営まれ、農業は大石原や飯子浜などに供給する程度の耕作が行われているが、これも小規模のものである。大戦中は魚雷艇特攻隊の基地であつた。野々浜から西海岸の荻の浜に通ずる山道があり、道程徒歩約四十分位で達することが出来る。近年野々浜に女川町第六小学校即ち五部浦小学校と第一中学校分校とが併置された。この地は地理的環境と水産業との見地より、将来ともにこの地方に於ける産業経済並に文化の中心として発達する可能性を有つていると推測される。横浦住民の生業(昭和二七年度調)大石原及び野々浜住民の生業(昭和二七年度調)70

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