女川町誌 続編
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された。全国でも最大級の大きさをもつ遮光器しゃこうき土偶の下半身部分は話題になった。貝層はアサリを主体とする鹹かん水すい産の貝層で、山際寄りに分布し、東西二五㍍×南北四〇㍍の範囲にあると考えられる。 現在は畑地で一部資材置場になっており、貝殻はまったくみられない。土器の小破片が畑から若干採集される程度である。しかし、宅地造成などの開発行為が周辺でも頻繁になってきており、新たな遺跡の保存を考えなければならなくなっている。いずれにしても地元の人々の理解と協力がなければ物言わぬ遺跡は息絶えてしまう。 縄文土器の型式研究や仙台湾の漁撈ぎょろう文化を知るうえで、宮城県の考古学史に残る女川町を代表する重要な財産を、後世の町民・県民に伝え語り継いでいく使命が今の私たちにはある。 〔時期・型式名〕縄文時代後期(南境、宝ヶ峯、金剛寺)・晩期(大洞B,BC、C1) 〔人工遺物〕土器、石器―石鏃、石錐、刀器、石匙、石錘、石斧、石棒、垂飾品。土製品―土偶(大型遮光器土偶を含む)、土錘、耳飾り。骨角器―鏃、根挟ねばさみ、骨針、釣針、銛もり、やす、刺突具、骨こつ箆ぴ、弓ゆ筈はず形角製品、垂飾品(マッコウクジラの歯)。貝製品―貝輪。 〔自然遺物〕貝類―アサリ、ハマグリ、マガイ、オオノガイ、バカガイ、アカガイ、カガミガイ、シオフキガイ、 463

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