女川町誌 続編
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モミソクイの済んだ節は再び蒸し籠に並べられ、四、五枚を重ね7毎日四、五〇分ずつ三、四日続け、一日休んでまた四、五日と前風呂に掛けて乾燥させる。これを五、六回繰り返した後三日から五日日乾しにし8囲樽に入れる。四、五日すると節はやや柔軟になるのでいよいよ節削りにかかる。節削りは図のような9二種の削り包丁を駆使して節の形状を美しく整える作業で、長い修業によって得られる熟練が必要とされる。 10削り終えた節は、蒸し籠に並べてその夜一晩11とろ火であぶり、内部からしみ出る水分を蒸発させる。翌日12から五、六日日乾しした後13シュロタワシで摩擦し、囲樽に入れて二週間ほど置くと青カビが発生する。これを一番カビという。またタワシでこすり、樽に入れ一〇日ほどで二番カビがつく。こうして14五番カビまでつけたものを本枯れと呼んだ。 ※本町における製法 カツオ節の製法も他と同様、時代、地方によって大きな差異が見られる。乾燥に温風機が試みられたこともあったようである。現在では、高級品を別にしての話ではあるが、削りの段階が機械化されるまでに至っている。ここでは、前節の傍線部を訂正する形で昭和四十年代に本町で行われた製法の大略を示した。そうすることで、時代による変遷が浮き彫りにできればと考えたからである。 ・傍線1 大桶は当地方ではコガと呼ばれ、本町の港祭りの目玉行事のひとつ「コガ漕ぎ競争」に使われている。製氷の普及につれて、清水は氷水となった。 ・傍線2 腹は尾の方向を頂点とする三角形に切り取り、切り取った部分をハラスという。脂が乗っているので塩振り焼きにするとおいしく、土地の人々に長く親しまれてきた。 ・傍線3 鮮度を落とさないためにただちに身卸しにか 243

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